将来どんなところに住みたい?
散歩中ふと、娘とそんな話になった。
海の近く、と彼女は答えた。
そしたら、いつでも泳げるから。
そっかあ、泳ぐの好きなんだね。
津波がとどかない、高いところ。
人がいない、静かなところ。
家族と住む。
猫を飼う。
仕事は家からやればいい。
友だちはときどきオンラインで会って話せばいい。
部屋には窓がふたつあって、海の見える大きな窓と、星の見える天井窓。
そっかあ。
初耳だった。すぐそばで暮らしているのに、彼女がそんなふうに考えているなんて、ぜんぜん知らなかった。
いま風だった。
なんて自然体に、いま風なんだろうと思った。
☆
2020年、世の中のリモート化、ヴァーチャル化はかつてないほど加速して、旧来のあたりまえ、標準はガラガラと崩れつつある。
そんな世界の非連続な変化さえ、つぎの世代は慣れっこになっていくのかもしれない。いまの時代の大人より、はるかに身軽に変化に馴染み、進化していくのかもしれない。
未来はあながち暗くない。
娘には自由な軸で、しっかりと生き抜いてほしいと思う。